ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

瑠璃通信53 煙と消えたコルドバ旅行

4月18日、朝8時半発の飛行機で3日間のコルドバ旅行に行くため、タクシーでアエロパルケ(国内線空港)へ向かった。あたり一面真っ白い霧で覆われている。この時期はブエノスアイレスは霧がよく発生するのだ。昨年、歴史的な濃霧で国際空港が閉鎖された事を思い出した。
と、急に涙が出始め、煙臭い臭いが鼻をついた。運転手はしきりに咳をしている。あ、霧じゃない。思わず「ウモ(けむり)」と言うと、運転手が「シー、シー(イエス、イエス)。まだ燃え続けてる」と言う。
数日前、ブエノスアイレスから数百キロのカンポ(農村地帯)で農民達がトウモロコシなどを収穫した後の畑地に火をつけたのが燃え広がったのだ。法律では畑を焼くのは禁じられてるが、何しろ何事にもいいかげんなお国柄だから、公然の秘密で農民達は焼いて来たらしい。
それが思いもかけず広範囲に燃え広がって最早手をつけられない状態になってしまった。煙がもうもうと地上を覆い、あちこちで自動車事故を起こさせ、道路閉鎖に追い込まれた様子を連日テレビで放映していた。ブエノスアイレス市内は数日前から煙の臭いが立ち込めている。煙は風向きによって移動する。今日はアエロパルケ上空に来たらしい。
チェックインをする時、視界が悪いので出発は3時間おくれの11時半になると言われた。仕方なく出発ゲートのある二階でゆっくり朝食をとることにした。
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   出発ロビー。いつもは窓からラプラタ川が直ぐ目の前に見えるのだが、今日は
   何も見えない
7時半に出た機を最後にゲートはクローズされたままだ。11時を過ぎても何の案内もないので、聞きに行くと、ただ「待ってろ」の答え。食事用のラウンジは満員。人々は出発ロビーの通路の壁に寄りかかって足を投げ出したり、中には横になって寝ている人も。これはアルゼンチンでは見慣れた風景。夫も郷に入っては郷の従えとばかり、通路で寝てしまった。
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       すっかりアルゼンチン人化した夫
旅行の手配をしてくれた旅行会社に電話をして状況を述べ、航空会社に問い合わせてもらって、1時間おきにケータイに連絡してもらう。
3時頃「コルドバ行き飛行機はキャンセルになりました。階下の航空会社のチェックインカウンターに行って、キャンセルの手続きをすませ、チケット売り場に行ってお金を返してもらって下さい」と連絡が来た。
全くもう!その間、空港での案内は全くなし。モニターにはどの便もただ「航空会社に問い合わせなさい」の表示のみ。
階下に下りてビックリ仰天。広いロビーはラッシュアワーの電車内みたいに人でごった返していた。チェックインカウンターはどこも押すな押すなの行列。事情の分からない外国人達が次々にやって来るらしい。どうして機が飛ばないのかの説明も全くゼロ。
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           払い戻しの順番を待つ人々
要領よくチェックインカウンターに割り込み(こう言う時チビは割り込んでも目立たないから得だ)、ケータイを旅行会社にかけ、それをカウンターの係りに代わってもらい、その後、手続きの方法を旅行会社の人から日本語で説明してもらう。
全く、日常会話は何とか通じても、こう言う突発時には一苦労だ。その後預けた荷物を引き取り、払い戻しカウンターに並ぶ。ここで1時間待ち。待っている間にやっとアナウンスがあり、キャンセルになった便名を次々読み上げている。
朝6時半に家を出て、家に戻ったのが午後5時。コルドバに行くはずが空港見学一日ツアーになってしまった。因みに国際空港の方は煙が少なく通常通りの運行だったそうだが、道路閉鎖はあちこちであったらしい。
今日(14日)、火はまだ燃え続けているそうだ。我がアパートの中まで焦げ臭い臭いが漂っている。
by ruriwada | 2008-04-21 22:02 | Comments(0)