ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

瑠璃通信22、イグアス旅行 Ⅲ

 最終日の今日はサン・イグナシオ・ミニ遺跡見学。ツアーは私達だけと言うことで、運転手兼英語ガイドのカラメロが運転する乗用車での、イグアスから往復8時間のドライブだ。途中でWANDAと言う貴石の産地へ寄る。
ここまでの道の周辺はマテ茶の栽培地で、茶畑の中に点々と掘っ立て小屋が建っている。茶畑労働者達の家だが、ブエノスアイレスの貧民窟のようだ。
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                マテ茶畑
一部の大地主による土地の占有と貧しい小作人の構図は、チェ・ゲバラが憤慨した頃と全く変わっていないようだ。(因みにゲバラはアルゼンチン人である)。貴石産地も元は農地で大地主の所有だそうだ。他にもこう言う貴石の産地が10ヶ所くらいあるとのこと。
最初は露天掘りだったそうで、真ん中に広い窪地があり、その周りの崖にあちこち洞穴が掘られ、紫水晶やアメジスト等、数種類の貴石が地面や壁のあちこちから顔を覗かせている。採掘中の工員も見かけた。
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    wandaの貴石採掘場  人物は化石ではありません・・念のため
現場の英語ガイドの青年が、夫が2個、私が1個カメラを持っているのを見て、「3個もカメラ。私は1個もない」と羨ましそうに言うので、申し訳ないような気がして、「これはとても古い。日本ではカメラは安いの」と、あわてて説明した。
この後はひたすらサン・イグナシオの遺跡へ向かう。延々、近くは松林やローズウッド、遠くにジャングルを見ながら走る。所々に製材会社があり、道路も木材を山のように積んだトラックが沢山走ってる。
途中で何度も検問があり、私達まで身分証明書の提示を一回求められた。カラメロが「中国人が麻薬を持ち込むから・・」と言葉を濁す。パラグアイとブラジルの国境が近いから、警戒が厳重なのだろう。
途中トイレを借りに立ち寄ったガソリンスタンド内のキオスコで、カラメロが店の前に写真入で広告が出ている「木の瓶詰め(コンフィトゥラス・デ・マデラ)」を指して、美味しいと言う。
試しに一個買い、家に戻ってから食べてみたが、正真正銘美味しかった。ゼリー状になった輪切りの木片で、メープルシロップの様な味だ。病み付きになり、ブエノスアイレスの店や物産展など、折に触れ探しているのだが、誰に聞いても見たことも聞いたこともないという。どうもイグアスのあるミシオネス地方だけの特産物らしい。
それはさておき、サン・イグナシオの遺跡の町に入ったとたんにわか雨になり、カラメロの馴染みの店で先に食事をとることにした。カルメロにも奢る。遺跡の入り口は店の真ん前だ。店の内装があまりにも古ぼけているので、カラメロに言うと、「遺跡みたいだろう?」とカラメロがにやり。この店で無料で傘を貸してくれた。
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サン・イグナシオ・ミニは17世紀から18世紀にかけて、イエズス会の宣教師達が原住民のグアラニ族と助け合って建てた、ジャングルの中の自治都市の一つだ。政治的に力を持つようになったので、当時のスペイン王カルロス3世がイエズス会の追放とグアラニ族を分散させるために襲撃して破壊したのだそうだ。規模はそれ程大きくないが、歴史的には貴重な遺跡のようだ。
遺跡のガイドがスペイン語で説明したあと、私達二人のために英語で説明していると、一人の青年が側に寄って来て、しきりに聞き耳を立てている。そのうち、その青年がガイドに「英語の勉強をしてるので代わりに通訳させてもらえないか?」と頼み始めた。ガイドの方も説明が一回ですむので助かったと思ったのか、まかせてしまった。
オイオイ、勝手に決めるなよと言いたかったが、感じの良さそうな青年なので受け入れた。23才位かと思ったのだが、まだ歯列矯正中の16才の高校生だった。お姉さんが同行していて、少年が説明に詰まると側から助け舟を出す。好奇心旺盛で勉強熱心な少年に好感がもてた。
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              押しかけガイド少年と
帰りは又同じ道を延々ドライブ。途中に日本人入植者達の多く住む町を通過。最初の日本人の家と言うのが、道路端に半ば朽ち果ててあった。
こんなジャングルをよくも開拓したものだ。だいいち、ここまでどうやって来たのだろうと不思議に思ったが、あとで日系1世の友人に聞いたら、途中まで船で川を上って来たそうだ。
6時頃ホテル到着。イグアスからバスで一時間あまりの所で仕事をしている、私達のグループの一人、kさんが訪ねて来て、今夜は一緒に泊まる予定なので、部屋をトリプルに替えてもらった。
7時ごろ、kさんがリュックを肩に登山靴でやって来た。彼女はれっきとした独身日本人女性なのだが、いつも男性と間違われている。女性用トイレに入ろうとして、何度かとがめられたことがあるとか。
ホテルでタクシーを呼んでもらい(ホテルの直ぐ前にタクシーのたまり場がある)、セントロにある、カラメロお勧めのレストランへ向かう。乗ったとたん運転手が「ブラジル側へ遊びに行かないか?」と誘うのでびっくり。
タクシーだとビザなしでブラジル側の滝を見に行けるとは聞いていたが、滝に関係なく、観光客が行ったり来たりするのを黙認してるのだろう。
昨日のお化け屋敷と違って、さすが町中のレストランは込み合っていた。私は川魚のスルビ(大きななまずらしい)の白ワイン蒸しを頼んだが、最高に美味しかった。kさんと夫にも分けてあげたら、Kさんも「うまい!うまい!」夫は「うまい!もっとくれ」ときた。
冗談じゃない。この年では生きる楽しみは美味いものを食べる事だけなのに。「だーめ」と言うと、夫はうらめしそうに私の皿を横目で睨んでいた。25ペソのワインもけっこういけた。
ホテルに戻ってから、部屋で昨日ガソリンスタンドで買ったワインを1本とビールを数本開ける。夫は12時ごろダウンして寝てしまった。私とKさんはベッドの上にアグラをかき、夫のイビキをバックミュージックに、夜中の3時ごろまでワインを飲みながらおしゃべり。Kさんがワインを飲み干し、ビンを逆さにして、底をたたき始めたところで寝ることにした。「友、遠方より来る。酒また美味し・・」誰の詩だったかな?
 翌朝は習慣で5時には目が覚めたが、かんぺきな二日酔い。ホテルの庭を散歩して、気分転換。チェックアウトして、フロントの2人の従業員にカメラを向けたら、ロビーにいたボーイさん達も駆け寄って来て、わいわい賑やかな撮影となった。
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ホテルから空港へのミニバスは一昨日の同じツアー仲間だった、れいの双子夫婦4人と一緒だった。Kさんはバスが出発するまで見送ってくれた。
Kさんに「ゴキブリハウスに遊びに来て」とスペイン語で言って二人で笑ってたら、双子の一人が「ゴキブリ?」と怪訝な顔。Kさんが「彼女の家にゴキブリが沢山いるので、彼女はゴキブリハウスと呼んでる」と説明をすると大笑いして、バスの全員に説明していた。
バスの中できれいな若い女性が流暢な日本語で話しかけて来た。パラグアイ人で「日系人集落の近くで育ったので日本語を教えてもらった、JICAで日本に2年いたことがある、今は通訳をしてる」等など話してくれた。夫は話を聞くより、彼女の美貌に見とれていたようだ。すっかり鼻の下を伸ばしている。
 飛行機は無事、ブエノスアイレスの通称アエロパルケ国内線空港に到着、タクシー待ちの列に並んだ。一台のタクシーがエンストを起こし、空港の人が押すのを手伝って、列から離し、しばらくごそごそやってるとやっとエンジンがかかった。すると係員は私達の二つ前のカップルをそのタクシーに押し込んだ。
「あ~あ、気の毒に。途中でまたエンコしなけりゃいいけど」と、そのカップルに大いに同情した。次の人たちが乗ったタクシーは車のトランクが閉まらない。バンバンたたいてやっと閉まり発車。二人で大笑いしながら見ていたのだが・・
さて次は私達の番。お、ベンツだ。ラッキーだ。乗り込んだとたん、うへっ、きたない。
座席はしみだらけで、おまけに破れたまま。顔をしかめながらドライバーに行く先を告げると、ドライバーが耳に手を当てて振り返る。
その顔を見てギョッ!八十才位のおじいさんだ。耳が良く聞こえないらしい。目もかなり悪いらしく、フロントグラスに顔をくっつけるようにして、ノロノロ走り出した。
ああ、かみさま、ほとけさま!日頃の無信心を棚に上げて、無事に着くまでひたすら祈った。まさに飛行機より怖いタクシーであった。
Commented by misapapa at 2010-04-20 12:51 x
はじめまして。
昨日ネットを検索していて初めてたどり着き、瑠璃通信1から22まで楽しく拝見させて頂きました。実は、5日後に13日間の予定で妻と6才の娘と3人でアルゼンチンに行く予定です。イグアスにも一泊ですが行く事になっているので、大変参考になります。イグアスではアメリアンというホテルに宿泊する予定ですが、セントロまでは歩くとやはりかなり時間がかかりそうですね。でも、3国境のモニュメントがすぐ近くみたいで楽しみにしています。これから、出発までに最新の瑠璃通信まで拝見させて頂きます。
Commented by ruriwada at 2010-04-20 18:58
イグアス。懐かしいです!3国境のモニュメントセントロまでは大人だったら歩ける距離ですが、お子さん連れでは大変でしょう。イグアスの周辺で1人デング熱が出たので、虫除けを、それとアルゼンチンではポケットティッシュが手に入りにくいので持って行かれる事をお勧めします。
とても素晴らしい所です。どうぞ楽しんで来て下さい。
by ruriwada | 2007-08-16 22:29 | Comments(2)