ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

瑠璃通信17

メンドーサとアンデス山脈への旅 Ⅳ
 翌日,帰りのバスの出発は夕方7時だから、荷物をホテルに預けて、郊外にあるサン・マルティン公園内の動物園にコンドルを見に行くことにした。
 地図を頼りに歩いていたら道に迷い、ポリスが二人いたので尋ねた。
「歩いて行くのはとても無理だ。バスに乗った方がいい。自分達も同じバスで近くまで行くから、ここで待っていなさい」と言うのでバスに乗ることにした。
「バスの料金はいくら?」と聞くと「一人1ペソと10センタボ」とのこと。財布を出して小銭を数えたが20センタボ足りない。私達の様子を見ていたポリスがポケットから20センタボ出して、「これを使え」と言ってくれたのでびっくり。
ブエノスアイレスではアルゼンチン人から、「警官はワイロをとる」「警官はあてにするな」などなど、散々吹き込まれていたからだ。
アルゼンチンの田舎の人達は純朴なんだね。バッグの中を探すと小銭があったので、お礼だけ言っておいた。バスを降りて歩き出してからしばらくして、去って行くバスを見ると、中で二人のポリスがいつまでも私達に手を振っていた。何だか胸の中がふわっと温かくなった。
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                 サンマルティン公園内
公園の入り口で聞くと、動物園の入り口まで3キロあるそうだ。バスで行った方が良いと言われたが、公園が綺麗なのでブラブラ歩いて行くことにした。ジョギングの人達が何人も追い抜いて行く。乗馬中の人達ともすれ違った。自然公園といった風で小さな沢も流れている。大きなスタジアムもあるが、荒れた感じで長い間使われていないようだ。
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                 動物園入り口
暑さと疲れでフラフラになった頃やっと動物園にたどり着いた。入場料一人5ペソ(約200円也)。敷地は広大で山あり谷ありの、自然の地形をそのまま活かした動物園だ。やはり子供連れが多い。子供達が人懐こく「どこから来たの?」と問いかけて来る。「ハポン(日本)」と答えると皆キョトン。
動物の種類はそれ程多くはないが、猛禽類はけっこう多い。お目当てのコンドルは高い岩場の上に十羽ほど見えた。岩場から岩場へ飛ンドル姿も見ることが出来て大満足。
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疲れたので帰りはバスで町の中心まで戻った。歩道のオープンテラスで食事をしたが、物乞いが何人も寄って来るので一寸ショックだった。
美しい街路樹の下で優雅に食事を楽しむ人達と、その人達にお金をせびりに来る人達。Bブエノスでは見慣れていたが、こんなのどかな田舎町でも貧富の差が大きいのだろう。
メンドーサのバスターミナルは結構大きいのだが、発着場は押すな押すなの大混雑。観察してると、どうも一人の乗客に数人の見送り人がいるようだ。出発するバスに向かって大勢が手を振ったり投げキスをしたり、にぎやかなこと。これじゃ混雑するはずだ。
やっと待合室の椅子に座れたと思ったら、目の前で小競り合いが始まった。二人の男性が、一人の男性を後ろ向きに壁に押し付け「ポリシア!ポリシア!」と叫んでいる。どうやらスリを捕まえたらしい。
捕まった方は逃げようと必死で暴れるから、野次馬が加勢してスリを床に転がし、若い男が足で蹴りつける。数分して警官が二人自転車で駆けつけた頃には私達の回りは野次馬で一杯。
「あ、こんな時が一番危ないのよね」と、二人で急いでその場を離れた。その後トイレに行き、出発を待つ列に並んだら、夫が「おい、リュックのチャックが開いてるぞ」と言う。
急いでリュックを下ろして見ると、三つあるチャックのうち、財布を入れた場所のチャックだけが開いている。中を確かめると財布がない。やられた!
トイレで財布を出してチップを払った時、後ろにいた人がじっと財布を見ていたが、私が財布を戻す場所を見ていて後をつけたのだろう。それにしても鮮やかな手口だ。中身はわずか百円位だったが、財布は母の形見で気に入っていたのでショック。
by ruriwada | 2007-07-20 04:06 | Comments(0)