ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

瑠璃通信2部 123 ボリビア⑨ フラミンゴ

11月26日(金)
ウユニは3700メートルの高地でしかも真夜中だから駅のホームはかなり寒い。駅舎には改札口がなく出入り自由なので、待合室で待つことにした。そばに座っていたおばあちゃんと、赤ちゃんを背負った(布にくるんで肩に袈裟懸けにかついでいる)若いお母さんが「どこから来た?」と話しかけてきた。
しばらくおしゃべりしてるうちに列車が到着、深夜2時過ぎだというのに大勢の観光客が下りてきた。アルゼンチンから来たのだろう。ほとんどヨーロッパ系の観光客だ。当駅で数両連結し、出発は1時間遅れの2時半になった。
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  なかなかモダンな列車なのに、トイレの穴から下の線路が見えたのには思わず笑ってしまった。窓を
  開けなくて良かった

私達の車両は二番目に料金の高いクラスで、座席が45度くらい倒れるセミ寝台だ。なかなか快適。毛布も配ってくれた。ローサの姉さんは通路反対側の隣り。ウユニの中学校の体育の先生だそうだ。
明け方、目が覚めてからの車窓には荒野が延々と続く。時折今は使われていないらしい駅舎跡を通る。たまに畑らしい土地が見えるが、乾燥しきっていて作物が本当に育つのかなあ?
塩が混じっているらしいまだらに白い地域もある。
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       こういう風景が延々と続く
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                       古い駅舎あと
突然水が見えたと思ったらフラミンゴの群れだ。かなり大きな湖(Poopo湖)が沿線に広がり、1万羽はいるかと思われるフラミンゴの大群が湖一杯に優雅な姿を見せている。丁度朝食の時間なのだろう。鮮やかな紅色を見せて飛んでるのも数羽いる。感動で胸が震えた。列車にして良かった。夫のゴネ得と言うべきか。夫のワガママにこの時ばかりは感謝感激。
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コーヒーとサンドイッチの軽食が出て、しばらくしてオルロに到着。
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                 終点のオルロ駅
駅のホームで声をかけてきたウンちゃんのタクシーで、3人でバスターミナルへ向かう。ローサの姉さんはオルロの親戚に行くのだが、Kさんから、私達のバスが発車するまで見届けてと言われたのだそうだ。
駅からバスターミナルまで約10分の間、ウンちゃんは、日本人観光客が大勢来ると言って、知ってる限りの日本語の単語を並べ立てる。
ブエノスアイレスではこう言うタクシーが一番危ないんだけどなあと心配していたが、Kさんが言っていた値段より安かった。日本びいきの人の良いウンちゃんだったんだね。
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                                      オルロの町
10時出発のラパス行き定期バスに乗りこんだが、ローサの姉さんは立ち去らない。夫が「もういいから」と言いに行っても、「バスが出るまで見届けろと言われたから」と、頑として聞かない。バスの中から見ていたら、バスが動き出すと同時に帰って行くのが見えた。何だか胸がジーンとしてきた。
アルゼンチンと違ってボリビアは白人系が少なく、ほとんどインディオとの混血なので、顔だけ見てると、日本の田舎にいるような気がしてくるよ。
午後2時ごろラパス着。Kさんが車で迎えに来てくれていて、すぐプラサホテルへ向かう。乗ってすぐKさんにケータイを借りて、N君に電話する。ラパス在住の青年ボランティアのN君と昼に会う約束をしていたのだ。
N君は「今プラサホテルにいます。朝9時ごろご到着と聞いていたのに、まだチェックインなさっていないので心配してました」だって。ホンとだよね。5時間の遅れだもの。
ロビーにはN君の他に、やはりボランティア仲間のYさんも待っていた。Kさんにお礼を言ってチェックイン。ゲゲゲ、フロントはあの意地悪ボーイだ。ま、明日はブエノスに帰るからコカ茶はもう必要ないからいいや。
部屋に荷物を置いてすぐ、N君、Yさんを誘って4人で日本料理店ケンちゃんへランチを食べに行く。夫は「高地でアルコールを飲んだらどうなるかの実験をするぞ」と称してワインとビールを9日ぶりに飲む。私もビールを一口飲んだら、頭がフラフラした。高地って酔いが早いって本当だね。
たらふく日本料理を食べ、若い二人と楽しく歓談。N君たちが1月にブエノスに来ると言うので、再会を約束して別れた。明日はブエノスに帰るのだが、ホテル出発が朝の4時なので、早く寝なくちゃ。
ベッドに入ったと思ったら、バリバリ、ドドドーンと賑やかな音が始まった。窓の下の空き地で花火が始まったのだ。10日間のボリビアの旅、最後の夜の思いがけないプレゼントだ。
ハプニング続きの旅行だったけど、楽しかったなあ。

追記: 年明けにボリビアで暴動が起こり、N君たちのブエノスアイレス訪問はオジャンになってしまった。
by ruriwada | 2011-01-10 21:59 | Comments(0)