ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

瑠璃通信2部 118 ボリビア④チチカカ湖-1

21日はチチカカ湖行き。朝5時45分、トランストゥリンと言うツアー会社の大型観光バスがホテルに迎えに来た。乗客は私たちとガイド、もう一組とそのガイドだけ。ラパス市内を抜けると、荒野のような郊外に入る。
朝の6時だと言うのに、沿道には民族衣装のスカートをはいたおばさんたちが、大勢、バスを待っていたり、歩道に座り込んで朝食を食べている。これからラパス市内に露天商の仕事にご出勤というところかな?。
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                                  早朝バスを待つおばちゃん達
4000メートルの高地なのにジョギングをしてる人を数人見かけた。人間と言うのはどんな過酷な環境にも順応できるんだなあと、いたく感心してしまう。
ガイドは30才位の男性だが、しじゅう居眠りしていて、時々思い出したように目を開けて説明する。昨夜家で結婚記念パーティをやり、明け方まで飲んだり踊ったりのドンちゃん騒ぎだったとか。それにしても仕事でしょ!しっかりしなさいよ。全くもう。
1時間半ほど走るとChuaと言う小さな船着場に着いた。ここにツアー会社のオフィスがあり、トイレ休憩してから、Tiquinaと言う港へ向かう。
チチカカ湖は琵琶湖の約13倍、8,562k㎡の広さがあり、ペルー側が60%、ボリビア側は40%だ。突き出た半島によって、通称ラゴ・グランデ(大きい湖)とラゴ・ペケーニャ(小さい湖)の二つの湖に分かれている。チキーナは二つの湖をつなぐ海峡みたいな場所で幅が500メートルしかない。
ここから人間とバスが別々のフェリーで、対岸の半島の村へ向かう。乗客はほとんど現地の人だ。フェリーは生活の足らしい。人間の方が先に着き、バスの到着を待って出発。
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                 フェリーと言っても車が1台しか乗せられないほど小さい
左右交互に見え隠れするチチカカ湖を眼下に眺めながら、険しい山間を1時間ほど走る。まさに絶景続きだが、このルートは海抜4200メートルの峠越えだ。
10時ごろ無事チチカカ湖畔のコパカバーナの町に到着。ここは3841メートル。と言うことはチチカカ湖もこの高さにあるのだ。
船着場近くの南国的なレストランで朝食。
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                                            朝食を食べたレストラン
船着場から急坂の1本道が500メートルほど伸びていて、てっぺんに教会がある。坂の両側には観光客向けのおしゃれなレストランやらカフェ、みやげ物店が並んでいる。
ガイドが船の出発まで時間があるので教会を見に行こうと言う。フーフー言いながら急坂を上りきると大きな教会があり、教会前は広場になっていて、花で車体を飾った車が目白押し。
神父に聖水をかけてもらい、安全祈願をしてもらうために、ボリビア各地はもとより、アルゼンチンやペルーからもやって来るのだそうだ。
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                              車に 聖水をかける神父
また、広場の一角では医学生たちがいくつかのテントごとに分かれて、伝染病についてのデモンストレーションをやっていた。
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                                      エイズ撲滅キャンペーン中の医学生達
広場の周辺は日本の神社仏閣と同じく、土産屋や露天商が軒を連ねている。値切ったら3割ぐらいまけてくれた。元の値段でもラパス市内よりはかなり安い。
コパカバーナの港から中型のカタマラン(クルーズ船)に乗る。大勢人が乗っていたが、客室はたった5部屋だけだ。他の人達はみな椅子で寝るのかなと思っていたら、泊り客はカナダ人女性4人と私たちだけで、他の人達は皆、イスラ・デ・ソル(太陽の島)で下船してしまった。
イスラ・デ・ソルのピコカイナでトトラ船に乗り換える。と言ってもこのトトラ船は単なる観光用だ。水上生活してるのはペルーの方だそうだ。
トトラ船でワタと言うところでまで行き、ここから1時間のハイキング。イスラ・デ・ソルはインカ帝国発生の地と言われていて、インカの遺跡や博物館、若返りの泉や公園などが山のてっぺんにあるらしい。カナダ人4人組は全員60才以上の女性達だが、ガイドと一緒に元気に上って行った。
私達はラパスの坂道を歩くだけでハーハー言ってたのに、ラパスより高地で、しかもてっぺんは4,000メートルを越えている。その上急勾配の山道を登るなんて!
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                     観光用のトトラ船
山の頂上どころか天国まで一直線になりかねない。悔しいけど下で待つことにした。待つ間に、商売上手のおばちゃんから色々お土産を買わされてしまった。
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                                 商売上手のおばちゃん。4個も買わされてしまった
2時間ほどして、へとへとになって帰って来たガイドと一緒に船のランチを食べる。出発前に早めのランチをすませたカナダ人4人組は、「ワンダフル」を連発しながら意気揚々と帰って来た。定年退職後世界中の山を歩き回っているのだそうだ。ともかく元気なおばちゃん達ではある。
この後は又カタマラン船で、ピコカイナというちっぽけな村の港に着く。ここで今夜は停泊。カナダ人3人がここでも山登りに出かけた。ガイドがげんなりした顔つきでお供。一人は体調が悪いとリタイヤして私たちと船に残る。
退屈なので島に降りてみた。岸辺にはトトラが生え(ガマの1種らしい)、浜ではブタや牛が放し飼い。湖に入ってトトラを食べている牛もいる。島を散歩中、トトラの束をかついだ男性と出会った。牛に食べさせるのだそうだ。
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村の人達は素朴で恥ずかしがりだ。自分からは話かけてこないが、こちらから「オーラ」と言うと、        皆にっこりして、「オーラ」
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おっぱいを飲む仔豚たち。この後浜を駆け回っていた
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                      村のあちこちに豚の家がある。ちゃんと門がついてるのが可笑しい
この村の住人は80家族で、島には1台も車がないし、警官もいないそうだ。全くのどかで平和な村なのだ。農家の人が湖からホースを引いて畑に水をまいている。聞こえるのはその小さなモーター音だけだ。
チチカカ湖の水は透明でそのまま飲料に出来ると言う。しかし水温が低すぎて、魚はマスとアルゼンチンから移殖したペヘレと、もう1種の3種類ぐらいしかいないらしい。
3人のカナダ人小母ちゃんたちはまたもや「ワンダフル」を連発しながら戻ってきたが、少しも疲れた様子がない。ガイドさんだけぐったり。昨夜徹夜で騒いだのだから無理もない。
夕食は私たちとカナダ人4人とガイドだけ。ボーイさんは一人だけだが、とても穏やかで感じの良い人だ。デザート時には明かりを消して、ワゴンの上の皿に火をつける。炎が上がり幻想的な雰囲気をかもし出す。クレープにブランデーがかけてあるのだ。
食事が終わった頃、民族衣装を着た地元のグループがやって来て、フォルクローレの曲と踊りを披露してくれた。私も踊りの中に引っ張り込まれて踊る。
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皆が帰ってしまうと、全く無音の世界だ。カナダ人女性の一人が私に「何だかこわい」と言う。乗組員も2人しか見かけず、乗客も7人きりなので、心細いのだろう。私が笑顔で「何も心配ない」と言ったら、ほっとした様子だった。
船窓から満月が射し込み、湖面はキラキラ輝いていて、まるで夢幻の世界にいるようだ。
Commented by よいこ at 2010-12-11 18:44 x
 ボリビア旅行記 楽しませてもらっています。

豚の家 かわいいですね。それにしても無音の世界って考えられないですよね。ハッスルさん 本当にいつもお元気でうらやましいです。

 楽しみにしています。
Commented by ruriwada at 2010-12-12 18:54
ボリビアはアルゼンチンと違って、住民の大半がインディオ系で、貧しいけど、素朴で温かい人達でした。ラパス市内でも乞食もホームレスも見かけませんでした。貧しい中でお互い助け合っているのかも知れません。
by ruriwada | 2010-12-11 09:01 | Comments(2)