ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

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ラパスを夜9時に出発して、バスの中で眠って行けば、目が覚めたらウユニ・・と言う予定だった。ところがそうは問屋が下ろさない。「予定とフンドシは前から外れる」が夫の口癖だけど、まさに考えが甘かったよ。
オルロまでの3時間は、快適とは言えないけど、ま、一応道路が整備されていた。ところがオルロから先は全く未舗装の大変な悪路で、とても眠るどころじゃない。あごは外れそうだし、腸ねん転を起こしそうだ。
その上、絶えず細かい振動があって頭に響く。まるでひっきりなしにバイブレーションをかけられている感じ。脳みそが攪拌されておかしくなりそうだ。
それに時々砂地にはまり込んでタイヤが空回りし、抜け出そうとアクセルを吹かしまくるから、うるさいったらない。トイレに入っても体が振り回されてなかなか便器に座れない。やっと座ったら今度はおしっこが出ない。しばらく座っていたらやっと出たけど、イヤー、参ったね。
翌朝8時ごろ塩湖のあるウユニ市の郊外に到着。荒涼とした風景はまさに地の果て。拷問のような10時間のバス旅の後に、ついに地獄に到達したかと思った。
ところが不思議なことに、一睡も出来なかったのに頭がすっきり。脳漿が引っ掻き回されたせいかなあ。夫の方はかなり堪えたようで、気息えんえんの状態だったけど。
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                                        ウユニ市郊外の家々
ツアー会社の車が迎えに来て、事務所へ寄り軽い朝食。その後、女性ガイドと若い運転手のランドクルーザーで出発。最初は塩の工場見学、と言ってもどこも家内工業で、赤茶けた大地に、泥を固めただけのような粗末な家々が立ち並んでいる所だ。
その後、鉄道博物館に行くと言う。博物館と言っても野外展示場で、使用済の古い機関車が沢山、さびたまま放置されているだけだ。そのそばを線路が走っている。アルゼンチンのメンドーサからボリビアのオルロまで、週に何回か現在も使われているそうだ。
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                列車の博物館(野外展示場)
次は塩で出来たホテル兼博物館見学。ここで一人旅の若い日本人女性と出会う。二言目に「お金を使い過ぎて残り少なくなった、どうやって稼ごうか考えてる」と言うのでピンと来た。その時は気がつかない振りをしたが、しばらくして又「お金がない・・」と言い始めた。人の良さそうな(?)おばちゃんにたかろうと言う魂胆が見え見え。
ホテル代も飛行機代も払い込み済みと言うことだったので、「節約するしか仕方ないわね」と軽く受け流した。金がなくなりゃ、さっさと帰国すればいいだけの話だ。最近の日本にはこんな子が増えてるのかなあ。情けない。
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                                     博物館。塩で出来ている
この後、塩湖の中をドライブして魚島と言う小島に行く。島といっても一面の塩の中にあるので、雪原の中にある小山のような感じだ。島にはサボテンが一杯生えている。人家はさすがにないが、トイレと管理事務所と土産屋兼レストランが1軒ある。
ランドクルーザーが10台ほど並び、浜ではアサドを焼いている。全部同じツアー会社の人達で、それぞれ観光客を案内して来てるのだそうだ。塩でできたテーブルと椅子がいくつかあり、それぞれツアー毎に分かれて座り、アサド、炊き込みご飯のような物、サラダと、コロッケ様の物のランチを共される。
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                           魚島でランチ
昼食後は約100km先の火山島までドライブ。はるかかなたには青みを帯びた山々、真っ青な空の下に、他に車一台見えない見渡す限り真っ白な塩原が広がる中を、猛スピードで突っ走る。その爽快さといったらない。
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                            ウユニ大塩原
火山島にはインディオの集落があった。こんな水のない場所でどうやって生活してるんだろう。雪解け水の湧き水でもあるのだろうか。島の周辺の塩は溶けていて、水の中にフラミンゴが数羽いた。
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                                    火山島からの帰りに見た採塩風景
火山島から湖岸に戻ったが、塩湖の周辺部は塩交じりの荒地が広がり、ホテルが点々と建っている。私たちの泊まったホテルは壁も柱も全て塩でできていて、屋根だけがトトラで葺かれている。
ベッドも机も椅子も内部は全て塩だ。塩のベッドの上に分厚いマットレスが敷いてあり、その上に布団。部屋にはガスストーブが入っていたが,溶けないのだろうか。床も塩なので靴が脱げない。スリッパを持って来れば良かった。さすが便器は陶製だった。
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                ホテル内部。ほとんど塩で出来ている
うなぎの寝床のような長大なホテルで、廊下の片側に部屋が並び、各部屋ごとに廊下の反対側に塩湖の見えるオープンサロンがついている贅沢な作りだ。
ホテルのオーナーは25才の青年で、「丁度今日は1年に1回の、パチャママの祭礼が行われる日だ。ホテルの従業員やその家族が集まって行うので招待します」言ってくれた。リャマの首を切って,その血をなんとかかんとか言うので、思わずゲッと思ったが、めったに経験出来ない事なので、首を切った後から見せてもらうことにした。
ホテルの裏山に十数人の男女が集まっていて、2~3人のおばちゃんがリャマの解体中。そばにリャマの首が転がっているのでギョッ。なるべく見ないようにする。最初は数人の男女が崖っぷちに立って、次々お酒を天に向かって振りまく。私たちも酒を手渡され振りまく。
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                            リャマの解体
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                     大地の女神パチャママにお酒を捧げる
その後は広場で、カラフルな敷物の上に座った占い師を中心に集まる。お酒を勧められたが、高山病が怖いから、飲めないと断ると、手に山盛りのコカの葉を乗せられ、コカの葉をかじりながら見学。
占い師がリャマの心臓に息を吹き込み、その形で豊作を占うのだそうだ。ここでもワインが順番に手渡され、各自地面にワインを注ぐ。大地の女神パチャママへの感謝の祭りなのだそうだ。数百年前から続くアンデスのインディオの土着信仰とカトリックの信仰が結びついたものだそうだ。
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                占い師がリャマの心臓に息を吹き込む
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その後心臓のあちこちの形を見て占う
占い師は全部で3回息を吹き込んで占った後、今度はオーナーとその母親が敷物に座り、お金を包んだ布を肩から袈裟懸けにかけさせて、何やら呪文を唱える。ホテルの繁栄を祈ってもらってるらしい。男性陣はかなりアルコールを飲んで酩酊気味。夫は一人のおじいさんに気に入られて抱きつかれて閉口していた。
儀式の後、アサド(焼肉)が始まり、レンガを積み上げただけの炉に鉄板が敷かれ、解体したリャマの肉が並べられた。
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                         次はオーナーとその母親の商売繁盛を祈る
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儀式の後はリャマのアサド。何事も豪快だ
15~6才に見える娘さんが、人懐こそうに「新館を見せて上げるから」と私たちを誘ってくれたので、夫はこれ幸いとおじいさんから逃げ出して、見せてもらうことにした。ホテル入り口からは見えなかったが、ウナギの寝床のさらにその先に新館があったのだ。まだ工事中だが、すでに使われているそうだ。
新館にはスイートルームも2部屋あり、こちらは近代的なホテルだ。娘さんはこの新館の客室係なのだそうだが、私達の他に泊り客はいないようだ。
日本からNHKと民放が取材に来たそうで、日本人の観光客が時々来るという。
夕食時、ホテルのレストランで夫は先ほどのリャマの焼肉、私はマスのステーキを食べる。リャマも一口食べてみた。味は良いが老リャマのせいか少々硬かった。そこへ日本人青年が1人入ってきた。
オーナーの親兄弟はラパスに住んでいて、3人兄弟の末っ子がホテルを始めたのだそうだ。長男はツアーガイドをしていて、ラパスからこの青年を案内してきたと言う。
日本人青年は感じの良い人で、トンネル会社に勤めているが、1ヶ月の休暇をまとめてもらえるので、1ヶ月間の中南米旅行に来たと言う。パチャママを見損なってがっかりしていたが、コックがリャマの肉も食べてみるかと出してくれたら、喜んで食べていた。
塩湖に雨が降った後は湖面に星が映り、この世の物とは思えぬ美しさとか。周辺部に雨水が残っていたので見るのを楽しみにしていたのだが、曇り空で見れなかった。くやしー
by ruriwada | 2010-12-25 23:14 | Comments(3)
11月23日(火)
朝食後、いつものごとく空きペットボトルにコカ茶を入れていたら、初めて見る顔のホテルマンが「ペットはだめです。ここで飲んでください」だって。ええ?これまで誰も見ても何も言わないし、人によっては手伝ってくれてたじゃない。部屋で飲みたいと言っても、「ノー」。
「ここは5星でしょう。普通は部屋に湯沸しポットとハーブティやコーヒーが置いてあるのよ。ここにはそれがないんだから、気分が悪くなったら、いちいちロビーまで飲みに来いっての?」・・・と、タンカを切りたいところだが、悔しいかな言葉が出てこない。
「いじわる。けち」と日本語でブツブツ文句を言ってたら、夫が一言、「こっちが図々しいんだ」・・・・はい、ごもっとも。
メルカドに行こうと町の人達に道順を聞きながら歩く。ラパスの町は真ん中を走る大學通りは比較的坂が少ないが、1歩裏通りは上ったり下ったりの坂道続きで、しかも急坂。ヒーヒー言いながら、1時間位歩くと、やっとメルカドらしき建物があった。
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                               ラパス市内はこんな急坂ばかり
1階には野菜、肉、乾物類などの店がぎっしり並んでいる。魚屋は1軒だけで、しかも品数が少ない。ボリビアはパラグアイ同様中南米での「海なし国」なのだから仕方ない。市中の至る所に「海を取り戻そう」のスローガンが掲げられている。どうやって?隣国に戦争でもしかけるつもり?
実はチリとペルーの国境間に、海岸からボリビア国境まで続く、幅約20km、長さ150km(これは正確ではない)の、無国籍、無人の帯状の荒地があるんだって。ボリビアは何とかここを手に入れて、海への出口としたいらしいのだ。
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                       メルカド(市場)
話が逸れたけど、メルカドの2階はフードコートになっていて、屋台のような小さな食べ物屋がずらりと並び、各店の前にテーブルと長椅子が置いてある。夫は麺類を頼んだが、私が隣のテーブルの人達が食べてるスープを頼んだら、「ない。隣で買え」と言う。
隣のテーブルの労働者風のおじさん達が、席をつめて、「ここに座れ」と言う。店ごとに座るテーブルが決まってるんだって。一人しょぼんと食べてる夫を横目に見ながら、こちらはおじさん達とおしゃべり。
近くで働いていて、毎日、昼飯はここで食べてるのだそうだ。水の変わりにジュースみたいなのを飲んでいるので、「これは何?」と聞くと、「モコチンチ。うまいぞ、飲んでみな」
試しに飲んでみた。ああ、あれか。コチャバンバで飲んだ時は中身が入っていたので同じ物とは思わなかった。
乾燥桃に砂糖を入れ、シナモンで味付けしたジュースだ。名前が可笑しいよね。わいわいおしゃべりしてる私の真向かいに、中国の仙人みたいな、キミョウキテレツな服を着た小父さんが来て座り、「日本人か?」と聞いて挨拶した後、中国語交じりのスペイン語でしきりに話しかけてくるのには参った。ぜんぜん分からないのだ。
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                                 おじさん達とおしゃべりしながら食事
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メルカドのトイレには水がなく、備え付けのタンクから水を汲んで流す
気のいいおじさん達に別れを告げ、仏頂面の夫とメルカドを出て、市内見物。夕方また日本食レストラン、「けんちゃん」に行ったら、準備中だった。待つ間に3階に上がってみたら日本人女性がいたのでおしゃべり。話してしているうち、アルゼンチンに共通の知人がいることが分かった。全く世の中は狭い。
このビルは日本文化センターを兼ねていて、博物館にもなっている。
「けんちゃん」はまともな日本食を出し、しかも安くて美味しかった。
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                              けんちゃん。 本棚には日本の漫画がびっしり
今夜はラパス発9時の夜行バスでウユニの塩湖を見に行く予定だ。昨夜、いつもの運転手から電話が来て、8時半に迎えに行くという。バスターミナルまで15分かかるそうだ。間に合わないと困るのでもう少し早めに来てと頼むと、なるべく早く行くと言った。
ところが8時35分になっても来ない。なにやら嫌な予感がして、フロントからツアー会社に電話してもらった。日本人スタッフから折り返し電話があり、「運転手が忘れて遠方に行ってしまった。ホテルからタクシー拾って行って下さい」と平謝り。
バスターミナルに5分前に到着。ほっとしたら、インフォメーションが「ウユニ行きはここじゃない。1ブロック先だ」  ゲゲゲ・・
重い荷物を抱えてフーフー言いながらついてくる夫を尻目に、何とかバスを引き止めようと、無我夢中で走り、バス発着場に着いたら、「3階のオフィスで手続きをして来い」、だって。
階段を駆け上って行ったら、オフィスの電気を消して、下りてくるスタッフと出会った。また引き返してもらい手続きを頼んでいる所に、夫が今にも倒れそうな顔つきで現れた。心臓が破裂するかと思ったそうだ。
私の方は、火事場の馬鹿力、とでも言うべきか、坂道でヒーヒー言ってたのに、階段を3階まで駆け上がっても何ともなかったから不思議だね。
ともあれ、滑り込みセーフ。乗ってすぐ食事と飲み物が出たが、まさか食事が出るとは思わなかったので夕食をたらふく食べてしまい、お腹が一杯なので飲み物だけもらった。
後日、ツアー会社からお詫びの電話があり、運転手は忘れたのではなく、他に良い仕事が入ったのでそちらに行ってしまったんだって。やたら愛想だけは良かったのに、全くもう!いいかげんなのはラテン系国の共通らしい。
バスは、ツアー会社が掛け合ってくれて、5分だけ待つ、と言うことだったそうだ。
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                           オシャレな民族衣装が多い
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                                 大統領府の衛兵さん達と
by ruriwada | 2010-12-18 03:12 | Comments(0)
22日、明け方、強烈な頭痛に襲われた。熟睡すると呼吸が浅くなり、血中の酸素不足で高山病が悪化するんだって。コカ茶をがぶ飲みし、頭痛薬を飲んでしばらく部屋の中を歩き回っていたら、30分程で消えた。
朝食時にボーイさんに話したら、「なんだ、酸素を吸えばすぐに治まるのに」
「でも、高いんでしょう?いくら?」
「いや、1口か2口吸うだけだから、ただです」だって・・なんだ、先に言ってよ。
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             ボーイさん曰く、テーブルセッティングのサジの形はコカの葉のイメージだそうだ
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            クルーズ船内。左からカナダ人4人組、ガイド、ボーイ兼マネージャー兼よろずや
朝食後船は島を離れ、コパコバーナの港に向かう。ここの教会前でカナダ人4人組と別れを告げ、私たちとギア(ガイド)だけ、海抜4,200mの峠を1時間走り、フェリーで対岸に渡り、又バスで行きと同じルートでラパスへ戻る。それにしても大型バスに乗客は私たち二人だけで、専用のガイドつきだなんて、なんとも贅沢な旅行だねエ。
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                                           バスの中から見たチチカカ湖
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                   のどかなフェリー発着場
途中、フェリー乗り場でガイドが露天のおばちゃんから豆を買ったので、聞いてみたら、ルピナスの実だそうだ。
ガイドがルピナス入りの袋に水を入れてるので、洗ってるのかと思ったら、ふやかすと皮が簡単にむけるんだって。ガイドはその袋を運転手との間に置き食べ始めた。運転手も時々手を伸ばして食べている。
勧められて食べてみたら、生の大豆の味がした。あまり美味しいものじゃないが、とても栄養価が高いのだそうだ。ルピナスの実って、食べれるんだね。
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                                              ルピナスの実
午後1時ごろプラサホテルに再チェックイン、預けていた荷物を受け取る。昼食は近くのパスタ屋でスパゲティを食べる。とにかく安い。夕刻まで町をぶらついた後、ホテルのボーイに日本料理店を聞いたら、近くにある「けんちゃん」を教えてくれた。
行って見たら月曜は定休日だった。他にも若い日本人カップルが「地球の歩き方」を手にウロウロしていて、「定休日みたいですね」と残念がっていた。
がっかりしてホテルに戻る坂の途中の地下にレストランが見えた。夫好みの小汚くて安そうな所だ。案の定、夫は「ここにしよう」
ボリビア名物のシルパンチョを食べる。安くてボリュームがあり、美味しかった。夫の鼻はトリュフを嗅ぎ付ける豚並みの嗅覚を持ってるのかも。
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                                  ラパス市
by ruriwada | 2010-12-16 09:33 | Comments(0)
21日はチチカカ湖行き。朝5時45分、トランストゥリンと言うツアー会社の大型観光バスがホテルに迎えに来た。乗客は私たちとガイド、もう一組とそのガイドだけ。ラパス市内を抜けると、荒野のような郊外に入る。
朝の6時だと言うのに、沿道には民族衣装のスカートをはいたおばさんたちが、大勢、バスを待っていたり、歩道に座り込んで朝食を食べている。これからラパス市内に露天商の仕事にご出勤というところかな?。
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                                  早朝バスを待つおばちゃん達
4000メートルの高地なのにジョギングをしてる人を数人見かけた。人間と言うのはどんな過酷な環境にも順応できるんだなあと、いたく感心してしまう。
ガイドは30才位の男性だが、しじゅう居眠りしていて、時々思い出したように目を開けて説明する。昨夜家で結婚記念パーティをやり、明け方まで飲んだり踊ったりのドンちゃん騒ぎだったとか。それにしても仕事でしょ!しっかりしなさいよ。全くもう。
1時間半ほど走るとChuaと言う小さな船着場に着いた。ここにツアー会社のオフィスがあり、トイレ休憩してから、Tiquinaと言う港へ向かう。
チチカカ湖は琵琶湖の約13倍、8,562k㎡の広さがあり、ペルー側が60%、ボリビア側は40%だ。突き出た半島によって、通称ラゴ・グランデ(大きい湖)とラゴ・ペケーニャ(小さい湖)の二つの湖に分かれている。チキーナは二つの湖をつなぐ海峡みたいな場所で幅が500メートルしかない。
ここから人間とバスが別々のフェリーで、対岸の半島の村へ向かう。乗客はほとんど現地の人だ。フェリーは生活の足らしい。人間の方が先に着き、バスの到着を待って出発。
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                 フェリーと言っても車が1台しか乗せられないほど小さい
左右交互に見え隠れするチチカカ湖を眼下に眺めながら、険しい山間を1時間ほど走る。まさに絶景続きだが、このルートは海抜4200メートルの峠越えだ。
10時ごろ無事チチカカ湖畔のコパカバーナの町に到着。ここは3841メートル。と言うことはチチカカ湖もこの高さにあるのだ。
船着場近くの南国的なレストランで朝食。
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                                            朝食を食べたレストラン
船着場から急坂の1本道が500メートルほど伸びていて、てっぺんに教会がある。坂の両側には観光客向けのおしゃれなレストランやらカフェ、みやげ物店が並んでいる。
ガイドが船の出発まで時間があるので教会を見に行こうと言う。フーフー言いながら急坂を上りきると大きな教会があり、教会前は広場になっていて、花で車体を飾った車が目白押し。
神父に聖水をかけてもらい、安全祈願をしてもらうために、ボリビア各地はもとより、アルゼンチンやペルーからもやって来るのだそうだ。
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                              車に 聖水をかける神父
また、広場の一角では医学生たちがいくつかのテントごとに分かれて、伝染病についてのデモンストレーションをやっていた。
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                                      エイズ撲滅キャンペーン中の医学生達
広場の周辺は日本の神社仏閣と同じく、土産屋や露天商が軒を連ねている。値切ったら3割ぐらいまけてくれた。元の値段でもラパス市内よりはかなり安い。
コパカバーナの港から中型のカタマラン(クルーズ船)に乗る。大勢人が乗っていたが、客室はたった5部屋だけだ。他の人達はみな椅子で寝るのかなと思っていたら、泊り客はカナダ人女性4人と私たちだけで、他の人達は皆、イスラ・デ・ソル(太陽の島)で下船してしまった。
イスラ・デ・ソルのピコカイナでトトラ船に乗り換える。と言ってもこのトトラ船は単なる観光用だ。水上生活してるのはペルーの方だそうだ。
トトラ船でワタと言うところでまで行き、ここから1時間のハイキング。イスラ・デ・ソルはインカ帝国発生の地と言われていて、インカの遺跡や博物館、若返りの泉や公園などが山のてっぺんにあるらしい。カナダ人4人組は全員60才以上の女性達だが、ガイドと一緒に元気に上って行った。
私達はラパスの坂道を歩くだけでハーハー言ってたのに、ラパスより高地で、しかもてっぺんは4,000メートルを越えている。その上急勾配の山道を登るなんて!
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                     観光用のトトラ船
山の頂上どころか天国まで一直線になりかねない。悔しいけど下で待つことにした。待つ間に、商売上手のおばちゃんから色々お土産を買わされてしまった。
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                                 商売上手のおばちゃん。4個も買わされてしまった
2時間ほどして、へとへとになって帰って来たガイドと一緒に船のランチを食べる。出発前に早めのランチをすませたカナダ人4人組は、「ワンダフル」を連発しながら意気揚々と帰って来た。定年退職後世界中の山を歩き回っているのだそうだ。ともかく元気なおばちゃん達ではある。
この後は又カタマラン船で、ピコカイナというちっぽけな村の港に着く。ここで今夜は停泊。カナダ人3人がここでも山登りに出かけた。ガイドがげんなりした顔つきでお供。一人は体調が悪いとリタイヤして私たちと船に残る。
退屈なので島に降りてみた。岸辺にはトトラが生え(ガマの1種らしい)、浜ではブタや牛が放し飼い。湖に入ってトトラを食べている牛もいる。島を散歩中、トトラの束をかついだ男性と出会った。牛に食べさせるのだそうだ。
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村の人達は素朴で恥ずかしがりだ。自分からは話かけてこないが、こちらから「オーラ」と言うと、        皆にっこりして、「オーラ」
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おっぱいを飲む仔豚たち。この後浜を駆け回っていた
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                      村のあちこちに豚の家がある。ちゃんと門がついてるのが可笑しい
この村の住人は80家族で、島には1台も車がないし、警官もいないそうだ。全くのどかで平和な村なのだ。農家の人が湖からホースを引いて畑に水をまいている。聞こえるのはその小さなモーター音だけだ。
チチカカ湖の水は透明でそのまま飲料に出来ると言う。しかし水温が低すぎて、魚はマスとアルゼンチンから移殖したペヘレと、もう1種の3種類ぐらいしかいないらしい。
3人のカナダ人小母ちゃんたちはまたもや「ワンダフル」を連発しながら戻ってきたが、少しも疲れた様子がない。ガイドさんだけぐったり。昨夜徹夜で騒いだのだから無理もない。
夕食は私たちとカナダ人4人とガイドだけ。ボーイさんは一人だけだが、とても穏やかで感じの良い人だ。デザート時には明かりを消して、ワゴンの上の皿に火をつける。炎が上がり幻想的な雰囲気をかもし出す。クレープにブランデーがかけてあるのだ。
食事が終わった頃、民族衣装を着た地元のグループがやって来て、フォルクローレの曲と踊りを披露してくれた。私も踊りの中に引っ張り込まれて踊る。
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皆が帰ってしまうと、全く無音の世界だ。カナダ人女性の一人が私に「何だかこわい」と言う。乗組員も2人しか見かけず、乗客も7人きりなので、心細いのだろう。私が笑顔で「何も心配ない」と言ったら、ほっとした様子だった。
船窓から満月が射し込み、湖面はキラキラ輝いていて、まるで夢幻の世界にいるようだ。
by ruriwada | 2010-12-11 09:01 | Comments(2)
11月20日(土)
朝食後、空いたペットボトルにホテル常備のコカ茶入りポットからコカ茶を入れていたら、ボーイさんが手伝ってくれた。そのお茶を飲みながら、午前中は市内見物を兼ねてのショッピング。坂が多いのですぐに息切れがする。一歩一歩、手をつないで支えあいながら、数歩歩いては立ち止まってゼーゼー言ってる私たちを見て、すれ違う人達がニヤニヤ。
これじゃ、どこからどう見ても爺さん婆さんの、よたよた道行きだ。
大学大通り(大きな通りはここだけ)の素敵なレストランでランチ。ラパスのレストランの多くはレジでの支払いなのでチップがいらないのが嬉しい。
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       ラパス市内。小山の上までびっしり家が建っている。遠くの山は6000メートルを越す
午後、昨日と同じドライバーが迎えに来て郊外の「月の谷」へ向かう。このドライバー、片言の日本語を話し、愛想が良く誠実そうで気に入っていたら、あきれたおっさんだと後日分かった。
月の谷はまさに地球の光景とは思えない、奇岩の立ち並ぶ光景だ。地球上にはまだまだ私が見たことがないような、変わった光景が沢山あるんだね。その谷へ向かう途中、切り立った崖の上に日干し煉瓦の家々が建っているので、ドライバーに「落ちる危険はないの?」と聞いたら、「大雨が降ると、時々落ちる」だって・・・・
おいおい、そんな危険な場所によく建築許可が下りるもんだね。あきれて物が言えんよ。
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                                      月の谷
月の谷から戻ると、途中から日本語を話すガイドが乗り込み市内ツアー。日系かと思っていたら、現地の女性で、日本人コロニーのそばで生まれ育ったので、子供のころから日本語を学んだと言う。
ちょっと癖のある女性で、「日本語を話せる人は沢山いるが、私たちの文化を知らないので本当の説明が出来ない」とか何とか誇らしげに言っていたが、説明の方はおざなりだった。
一番賑やかなバザールは車中から見学。ボリビア人女性の民族衣装のカラフルなフレアースカート専門店がいっぱいある。路上には果物売りの店がびっしり。面白そうなので下りてゆっくり見てみたいが、急な坂続きなので無理なようだ。
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  上はボリビアのおばちゃんたちのトレードマークのスカート店 
  下は路上の果物売りのおばちゃんたち。ボリビアの女性たちは 実にたくましくて働き者だ
街中で花で飾られた車を数台見かけた。今日は日が良いので結婚式が多いのだそうだ。夕飯は近くのファーストフード店でチキンナゲットを食べる。ボリビアはチキンが美味しい。値段もブエノスの半値だ。
朝の3時頃また頭痛で目が覚めた。高山病は横になるとひどくなるそうだ。幸い、私の場合は鎮痛剤を一服飲めばすぐに治まり、日中は何ともない。
by ruriwada | 2010-12-05 22:56 | Comments(0)
19日(金)はコチャバンバ市内見物。今にも崩れ落ちそうな古い修道院に入った。屋根の形など、これまで見たことがない形式で、世界遺産に登録されて当然に思えるが、推薦する人がいないのか登録されていないようだ。
「写真を写したかったら、入場料と同じ20ボリビ払え」と言うので断る。こっそり屋根を撮ろうと思ったが、ガードマンがぴったりくっついて回るのであきらめた。
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                          古い修道院。内部も今にも崩れそう
街中をカラフルな乗り合いバスがひっきりなしに走っている。外見が派手で一見綺麗に見えるが、中はおんぼろで、車体を塗り替えただけなのだそうだ。
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                          市内を走るカラフルな車は全部乗り合いバス
あちこちでフェスティバルをやっていて、賑やかなフォルクローレの音楽が演奏され、民族衣装を着た人達が踊っている。
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繁華街からほんのちょっと離れた閑静なレストラン「スクレマンタ(チェーン店らしい)」のテラスカフェで、ボリビア名物のChairo(牛のスジ肉入りスープ)を食べる。なかなか乙な味のスープである。この他にやはり名物のシルパンチョ(ご飯の上に巨大薄切り牛肉と目玉焼き2個が乗ってるのが普通とか。この場合はさらにチキンがどかっと乗っていた)を頼んだが、見ただけでげんなり。4人でも半分も食べれなかった。
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レストラン「スクレマンタ」
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                            一人前でこのボリューム
Hさん宅に帰ってから、土産品バザールで買ったカーニバルのディアブロ(悪魔)の人形の、かんじんな頭部がないことに気がついた。夫とHさんが、もしかしたら包み忘れたのかも、と取りに戻ったが、女店員は「確かに入れた。店にも落ちてない」と譲らない。
「それでは頭部だけ売ってくれ」と言ったら、30ボリビだと言うのだそうだ。本体が35ボリビだったのに、そりゃないでしょうと、二人でがんばったが、まけてくれなかったのであきらめて帰って来たという。本当は入れ忘れたのに、二度売りしようとしたのかも。
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    カーニバルのディアブロ(悪魔)の仮面をつけた人形

コチャバンバを夕方8時半の飛行機で発ちラパス市へ向かう。ラパスの飛行場は海抜4,200mのエル・アルトにある。初めて来た人はここに30分以上いると大変らしい。頭痛に吐き気、めまい、ひどい場合はあの世行きだって。
友人の話では、目が回って立っていられなくなり、思考が鈍って何も考えられなくなったとか。酸素を吸入して低地に移ればすぐに回復するそうだ。まったく、なんでこんな高地に飛行場を作ったんだろうね。
飛行機も気圧の関係で燃料を満タンにすると爆発するので、少し積んで、サンタクルスなどの低地で補充するのだそうだ。だからラパスには大型飛行機は発着しないのだろう。飲みかけのペットボトルのビンは少しするとべこべこへこんでくる。コチャバンバでもご飯は圧力釜を使わないと生煮えになってしまうそうだ。
迎えの車で20分も走ると、眼下にラパス市が見えてきた。ラパス市は空港より600メートル低い3600メートルだ。ラパス市もすり鉢状になっていて、底がセントロで金持ちはなるべく低い土地に住み、貧乏人ほど高い場所に住んでるそうだ。
盆地の底辺は楕円形にキラキラひときわ明るくきらめき、まさに巨大なダイヤモンドリングのようだ。あまりの美しさに思わずため息が出る。運転手が絶好のカメラポイントで車を停めてくれたが、暗闇でカメラをいじったら、カメラがいかれてしまった・・・残念無念。
ラパス市内の「プラサホテル」にチェックイン。チェックイン中ボーイさんがコカ茶を持って来てくれた。ロビーの奥のレストラン入り口にコカ葉とコカ茶が常時置いてあり、客はいつでも飲めるようになっている。
ここで誤解のないように言っておくけど、コカ葉にはコカインのような幻覚作用や習慣性はない。日本の茶葉と同じような物だ。ただこれを飲まないと高山病になるのは間違いないようだ。
部屋にペットボトル入りの水が2本サービスで置いてあったので、これにコチャバンバで買ってきたコカ茶をつめ、絶えず喉をうるおす。何故かやたら喉が渇くのだ。高山病の特徴は血液に酸素が不足してドロドロ状態になるので、大量の水分を補う必要があるそうだが、喉が渇くのは体の自衛本能かも。
昼間は暑いくらいだったが、10時ごろ急に雹が降ってきた。ラパスの天候は急変するので、常時上着を持参したほうが良いようだ。
明け方3時ごろ頭痛で目が覚めたが、鎮痛剤を飲んだらすぐ治まった。夫の方は歩く時息切れがするが頭痛はないそうだ。高山病も人によって症状が違うらしい。
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ボリビア名物のサルテーニャ。エンパナダのお化け?それとも巨大ギョウーザ?
by ruriwada | 2010-12-03 23:04 | Comments(2)