ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

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アルゼンチンは泥棒王国と言ってもいいぐらい、泥棒が多い。人を見たら泥棒と思え、と言っても過言ではない。スリやひったくりの早業には感服させられるぐらいだ。アルゼンチンで2年間一緒だった仲間は10人ほどだが、全員窃盗の被害に遭っている。
中でも有名なのが、ケチャップ強盗と言われるものだ。実際にはケチャップではなく、臭いと色のついた液体なのだが。
たいてい3人がグルで、一人が液体をかけ(少し離れた所から、水鉄砲のようなもので飛ばしてかけるらしい)、その後カップルが近づいて来て、女性が拭く役、男性が財布を抜き取る役だ。全員まともな人相、服装の人達で、たいてい女性は美人ときている。
友人男性は、美女に拭いてもらって鼻の下を伸ばしてる間にやられた。しかもご丁寧に、財布の中身だけ抜き取って、財布は戻してあったと言うから、敵ながらあっぱれ。
夫も2回汚水をかけられたが、このケチャップ強盗については、事前に注意を受けていたので、無視して去り、実損はなかったが、数日臭いが取れず閉口した。
友人の中には3度以上かけられた人もいる。私は幸いにも一度も遭わず、自慢していたら、最後の最後になってやられてしまった。
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              ブエノスアイレスのシンボル   夜には花びらが閉じる
帰国の三日前、ブエノスアイレスのシンボルである花のモニュメントをまだ撮影していなかったので、夫と二人で出かけた。早朝だったので、リベルタ通りには人影はまばら。と、突然、夫が「おい、やられたぞ」と私の袖を指す。左側の袖にてんてんとシミがある。え?と思って見回したが、他の部分にはない。
ふと夫を見ると、帽子から上着の背中がシミだらけ。夫にかけられたのが、私にも飛んだのだ。騒いでると、二人連れが寄って来た。夫がにらみつけて、日本語で「こいつらがやったんだ!」と叫ぶと、二人はあわてて去って行った。
花のオブジェには噴水があるので、そこで洗おうと広いリベルタ通りを渡ったら、今度は別の男が「どうした?」と、親切そうに寄って来た。夫がまた「こいつもきっとグルだぞ」と日本語で大声を出すと、さっと離れて行った。
しばらく様子を伺っていると、やはりグルだ。3人一緒に別の獲物を探しに歩いて行くのが見えた。花のオブジェの噴水の水で上着を洗ったら、幸い汚れが落ちたのでほっとしたが、濡れた上着を着るわけにもいかず、夫は冬だと言うのに帰りは下着一枚になってしまった。
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          噴水の水で洗濯
若いカップルが怪訝そうに見ているので説明したら、気の毒そうに、英語で「ウイ アー ソーリー」と謝るではないか。外国人を嫌な目にあわせて、アルゼンチン人としてすまない気持ちになったのだろう。どこの国にも悪人もいれば善人もいる。

2年間の滞在中に何人もの日本人がパスポートや財布、電子辞書、カメラなどを盗られたのを見聞きした。日本人はよほどうまそうなカモに見えるらしい。アルゼンチン旅行を考えておられる方は、くれぐれも荷物にご注意を!
by ruriwada | 2009-02-27 14:57 | Comments(4)
 アルゼンチンは移民の国で、大半はイタリア系とスペイン系だが他の国からの移民もけっこういる。民族によって職業が違うのが面白い。中国系はスーパー経営、ボリビア系は野菜や果物店、そして日系人はクリーニングと花栽培。因みに現在アルゼンチンには日系人および在亜日本人合わせてほぼ35,000人が住んでるそうだ。
私達の住んでいたイタリア広場からバスで約1時間の、エスコバルと言う町周辺には花栽培の日系人が多く住み、毎年9月末ここで花祭りが行われる。私達も日系人のk氏に招待されて見物に出かけた。
広大な会場敷地内には藤棚があるが、ここの藤は日本のより色がうすいが、香りは強い。八重桜も満開だ。日本とは季節が正反対なので、9月に桜が咲くのだ。ドームの中にはいくつもの花壇が作られ、それぞれに農園の名前が展示されているが、ほとんど日系の名前だ。
K氏宅でのパーティに何度か招待され、そこで知り合ったTさん夫妻は60代の日系1世。T家も花作りで、一度農場を案内して頂いた。
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     T家の農園
巨大なビニールハウスが数個あり、2世の息子さんが栽培してるのは鉢植えのベゴニアとポインセチア。ポインセチアは日本ではクリスマスの花(実際には花ではなく、真っ赤な葉だが)というイメージがあるが、アルゼンチンでは四季を通じて見られる。T氏は別の3棟でランの研究栽培中。
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                      T家の農園

日系人社界では、2世となると日本語が話せない人がかなり多い。3世ともなると大半が混血してるので、全くと言ってもいいほど日本語は通じない。
日系人入植地では、若い人は皆都会へ出て行き残ってるのは1世の老人ばかり。日本の農村の過疎化と同じ現象だ。
入植地のあちこちに日本語学校があり、そのうち4校を訪れたが、どこも日系人の子弟は数名。かつては生徒が数百名いたと言う大きな校舎は、使われているのはほんの一部で、しかも予算がないから荒れ果てて廃墟のようだ。
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            入植地の日本語学校のチョーレトロなストーブ
  日本語の先生も給料なしのボランティアだそうだ。ある学校に至っては、隣に子沢山の泥棒一家が住んでいて、夏休み中などに、備品が盗まれてしまう、しかも盗んだ玩具で、庭でどうどうと遊んでると言うから唖然。
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               入植地の日本語学校の生徒たち。これで全員
一方、ブエノスアイレス市内の日本語教室はどこも大盛況だ。しかも生徒の7割以上は日系以外のアルゼンチン人だと言う。今、アルゼンチンは大の日本ブームで、たいてい日本製アニメから日本文化に興味を持つらしい。
そのせいで日本語の先生が足りなくて困っているそうだ。私も頼まれて、2組の日系2世、3世、計7人に日本語を教えていた。教えると言っても、日本語教師の資格もないので、ま、おしゃべりしながら会話のお手伝いといったところ。
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             日本語学校。ここではアルゼンチン人の生徒が大勢いて、日本語や
             日本文化を習っている。
私の生徒の中には70代の女性も3人いて、子供の頃、両親から聞いたと、日本の文化も聞き知ってるが、実際に見たり、体験したりしたことがないので良く理解できないらしい。
日系人の人達から入植時の話を聞くと、皆さんずいぶん苦労されたようだが、思わず笑ってしまう話も多い。
イグアスの滝のある、ミシオネス州に入植したという友人の話では、2メートル下は岩盤で、井戸を掘るのに、スーパーでダイナマイトを買って来た。父親が点火したが、ダイナマイトが粗悪品なので、不発に終わることが多かった、一つの岩を吹き飛ばしても又、すぐ岩盤に突き当たる。結局10数カ所穴を掘ってやっと水が出たという。
スーパーでダイナマイトを売ってると言うのも驚きだし、素人が扱って、よく無事だったものだと感心してしまった。
アルゼンチン滞在中は日系の人達に大変お世話になった。現代の日本人が失ってしまった、助け合いの精神がここではまだ健在だ。彼らは日本人以上に日本の文化を大事にし、日本の伝統文化を守っておられる。
日本語を教えている時、日本の文化についての質問が多く、インターネットで調べてお話ししたが、私自身が大いに勉強になった。
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          日本語学校前に停めてあるバスには日系人一家が住んでいる。

ところで、私は昨年10月に帰国し、現在はつくば市に住んでいる。今年9月に又、アルゼンチンに2年間行く予定。
by ruriwada | 2009-02-07 11:13 | Comments(2)