ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

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瑠璃通信10

ブエノスアイレス市内のバス事情については前に述べたが、今回は地下鉄と列車編。
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BsAs市内の地下鉄(スブテ)はA,B,C,D,Eの5線ある。紙の下方にC線を横に引くと、他の線はC線を基盤に扇状に伸びている。
 数分おきに運行していて、全線乗り換え自由で一律70センタボ(約28円)。同じ線内での移動にはとても便利だけど、他の線に乗り換えるには、必ずC線を経由しなければならない。
扇の横線をいくつか引けばずいぶん便利になるだろうにと、無責任な立場にある外国人としては痛感するけど、お国の経済事情もあるのだろう。計画はあるらしいけど、実行されるのはいつになるやら。
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おまけにこのC線での乗り換え時、同じ駅なのに、降りたホームと乗るホームで駅名が違う。3線が交わる駅など、駅名が3つあるからややこしい。
しかもその駅名の表示は当駅名だけで、日本のように前の駅名と次の駅名の表示が全くないから、駅に着く度に目をキョロキョロさせて、必死で駅名を確かめねばならない。このキョロキョロ時がスリの稼ぎ時。友人の一人もこの間に、チャックつきのハンドバックから見事に財布だけ抜き取られた。
電光掲示板がついていて、次の駅名を表示する車両もたまにはあるが、あっても混雑時には見えないから、乗る前にいくつ目で下りるか覚えておいて、数えながら乗ってないと乗り過ごしてしまう。
まさにBsAsの地下鉄に乗るのは命がけ・・はちょっとオーバーだが、バッグをしっかり抱え目を皿にして、常に警戒怠らず、である。
冷房のついた車両はないけど、窓を全開してあるので(地下鉄で!)、真夏でもそれほど暑くはなかった。すごいのは車両そのもの。世界各国からのお古なので、車両の型が全部違う。座席から天井、床、手すりまで全部木製と言う超レトロなのから、近代的な明るい車両もある。
ある日乗った車両になんとなく見覚えがあるような。見回すと壁に「禁煙」と日本語の表示がある。なんと地下鉄丸の内線の車両ではないか。
日本で定年退職した後、はるばる地球の裏側までやってきて頑張っているとは。おやおや、うちのダンナと同じ境遇ではないか。そう思ったら何となく身につまされて、思わず車体を撫でて、ご苦労さんと言ってしまった。
地下鉄で唯一感心するのはプラットホームや壁面に描かれた絵。何かの物語らしい絵が、エジプトの壁画のようにタイルで描かれている。それがまた素晴らしい。まさに芸術性高いお国柄であるようだ。
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 一方、列車の方はといえば、アルゼンチンには長距離の列車は昔はあったが、今は殆ど廃線になってる。一時間ほどの近郊の町々への列車は健在だ。
バスには必ず車椅子用のスペースがあるが、列車には自転車用スペースも広くとってある。手を伸ばしても届かないような高い位置に、つり革のような物がいくつか下がっているので怪訝に思っていたら、すぐに合点がいった。自転車を押して乗って来た人が、前車輪をそのフックにかけ、自転車を吊り下げたのだ。ご本人の方は自転車の下に足を伸ばしてジベタリアンを決め込んでいる者もいる。
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少し脱線するが(と言っても列車の脱線ではない・・念のため)、アルゼンチン人はどこでもすぐにべったり腰を下ろす。空港のロビーでも空いた椅子がないと、壁際に足を投げ出して座ってしまう。中には手枕で横になって寝てしまう人もいる。
先日、BsAsの空港で見かけたのだが、数人のグループがロビーに車座になって座り、食べ物やら飲み物まで出して、まるでピクニックであった。
アルゼンチン人の大半はヨーロッパ系の顔立ちだが、行動は日本のセブンイレブンあたりに夜半たむろしているジベタリアンも顔まけである。
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 さて、この列車だが、駅によっては道路から直接ホームに入れる。郊外の友人宅に遊びに行った帰り、友人は道路からホームに入って、列車が出るまで見送ってくれた。
駅は夜になると無人になってしまう。ある日のパーティの後、私共夫婦と他の2組の日本人夫婦で、最終列車に間に合わせるべく駅へ向かっていたら、列車が来るのが目に入った。走って改札口に着くと誰もいない。
 自動券売機で切符を買ったが、5人分で機械が故障。男性陣はバーを飛び越え、女性陣は下を潜り抜けて列車に飛び乗った。と、のんびり屋の奥さんが一人まだ改札口近くでモタモタしている。
日本人5人で閉まりかかるドアを必死で押さえ、ご主人が「オーイ、はしれ、はしれ!」と叫ぶ。奥さんが乗ったと同時にドアが閉まり、ほっとしたとたん気が付いた。
「切符に検札入ってない。大丈夫かなあ」「ボクなんか無賃乗車だ」
3人の男性は皆、日本の企業をこつこつ定年まで勤め上げた真面目人間ぞろいだ。ところがアルゼンチンに半年もいると、いいかげん、のんびり、気にしない、のアルゼンチン気風に大分染まったらしい。
おまけにアルコールはたっぷり入ってるし、集団だから、「赤信号、みんなで渡ればこわくない」の心境で気が大きくなっている。
「ま、いいか、ここはアルゼンチンだ。事情を説明すれば大丈夫だよ」
「それにしても日本じゃ、こんなこと考えられないよね」。
みんなで大笑いしながら、小学生の修学旅行よろしくはしゃぎ通し。さて終着駅に着いてみれば何とここも無人。小さな途中駅ならまだしも、日本だったら東京駅に当たるターミナル駅が、最終列車の到着を待たずに無人になってしまうなんて。
改札の一ヶ所が開いていて、ここから勝手に出て行けと言うことらしい。駅舎の出入り口も一ヶ所だけ開いていて、他は閉まっている。
最終列車から下りた十数名の他は誰もいないガランとした駅舎は、まるで巨大な廃墟のようだった。
by ruriwada | 2007-05-09 01:29 | Comments(1)