ハッスルおばあちゃんのアルゼンチン日記


by ruriwada

瑠璃通信2部 135 とんでもない注文

2月24日
窓の外がサイレンの音がやけにうるさいので覗いたら、サッカーのフーリガン達の乗ったバスが10台以上走って行った。その前後、周囲をこれまたパトカーや白バイ(白くないけど)が、けたたましいサイレンを鳴らし続けながら追いかけている。
毎度おなじみの光景で、以前はあきれていたのだが、中東の光景を見てから、最近見方を変えた。若者がサッカーに熱を上げてる国では革命や暴動は起き難いんじゃないかなあ。
アルゼンチンでもデモやストライキは日常茶飯事だけど、小規模だし、デモで流血騒ぎなんて聞いたことないし。デモ隊にカメラ向けると、笑顔でポーズとってくれる。
もっとも昨年暮れには地下鉄のコンスティテューション駅ではミニ暴動や商店の略奪があったけど・・
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大音響の音楽と嬌声とパトカーのサイレンのけたたましい音を立てて10数台のフーリガン達を満載したバスが窓の下を通った。

2月25日
ネリダさんから「ご主人に3月の日本語頼めないか」と電話が来た。夫が快諾。3年前に日亜学院で教えていた時に、私の留守中、夫がピンチヒッターで引き受けてくれた事があり、全員顔見知りなのだ。
唯一つの問題は、その後皆が私の顔を見てにやにやすること。うちの亭主と来たら、落語家と同じで、いつでも女房を笑いものにして喜ぶ悪い癖があるのだ。千倍位大げさに言うのはまだしも、亭主本人の失敗まで私がやった事にして言いふらしてしまう。
ずっと昔まだ亭主が会社勤めしていた頃、私が流感にかかり、たった1回洗濯を頼んだ事があった。その数日後、訪ねてきた会社の人がにやにや笑いながら、「ご主人が、俺は毎日かあちゃんのパンティまで洗わされてると会社で言いふらしてますよ」だって。・・ったくもう、変なやつと一緒になってしもた。一生の不覚だ。
2月26日
6時からカビルドの喫茶店、カルメンで県知事迎えの行事の打ち合わせ会があり、夫と二人で出席。今年は茨城県人会50周年に当たり、それに合わせて5月に県知事が來亜されるので、私達夫婦にも県の方と、アルゼンチンの県人会から協力の要請があったのだ。
県人会では準備に大忙しだ。
2月28日
パレルモレディースは12月と1月はお休みして、2月から再開。今回はパレルモ地区のパブ「MOTT」。以前私が住んでたアパート近くなので、ついでにアパート前を通ったら、花屋のルイスが大喜びで、ハグ(抱擁)され、両頬にベソ(キス)された。ポルテーロも丁度いて、ハグで再会を喜び合う。
ランチの注文がすんだところで、突然の停電。地区全体だという。前菜の生ものを食べながら回復を待つ。幸い30分ほどで電気がついたので、食事が出来た。ブエノスアイレスは停電が多いが、食事中は初体験だ。
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                  MOTTの棚の一番上に月桂冠もあった
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                 MOTTのテーブルにはハンドバックかけがついていて便利
食事が終わったのが2時半。このあとセントロ日系でタンゴとスペイン語が待っている。
800メートルを駆けてバスに飛び乗った。ほっとしてつい居眠りしたらしい。右折はないはずなのにバスが右折した。あわてて運転手に聞きに行くと、「2ブロック通り過ぎた」と、親切にも臨時停車して下ろしてくれた。
いつも、コレクティボ(市内バス)の横暴な運転手達の悪口ばかり言っててごめんね。
朝11時に家を出て、帰宅したのは夜7時半。フー、長い一日だった。

ところで、3月2日から、ニューヨークとシアトルに住む娘達を訪ねたあと、2週間ほど日本に一時帰国する。

日本への一時帰国を知った知人達からとんでもない頼みが次々舞い込んできた。
1:電気炊飯器を買ってきて欲しい(日系人)・・・
今回は私一人なので重くてとても持って来れない。9月に私達が帰国する時、今使ってるのを上げるから、それまでがまんして、と丁重にお断り。
2:鯉のぼりとペットボトルロケット発射台
  昨年二人で一時帰国した時、夫の職場の財団の設立30周年記念に、日本から鯉のぼりとペットボトルロケット発射台を自費で寄付(5万円)した。これが大評判で、財団が共同でプロジェクトを行っている、ブエノスアイレス大學(UBA)獣医学部のキャンパス内にも鯉のぼりが欲しいと前からねだられていた。時期外れで売っていないとはぐらかしていたのだが・・。
今回私が一時帰国することを知った上司が、夫に「奥さんにロケット発射台を買ってき
てもらってくれないか」と頼んできた。勿論どこからも費用なんぞ出るはずがないから、当然私達からの寄付をあてにしてのことだ。
その上、発射台1個でスーツケース1個を占領してしまう。
まったくもう、あきれカエルのひっくりカエルで、日本にカエルのがこわい。どうもアルゼンチン人と言うのは、図に乗る性格で、一度やってくれたから、今度も大丈夫だろう、と言う発想らしい。そのくせ断ってもケロッとしてる。
ダメモトで何でも頼んでくるから、こちらも出来ない時ははっきり断るのがかんじんだ。
それに、「金を払うから買って来て」も信用しないほうがいい。以前、アルゼンチン人男性に「金を払うから漢字の書かれたTシャツを買って来て」と頼まれ、渡したとたん、
「オー、ムチシマグラシアス」と大げさに感動され、キスされ抱きしめられて、チョン。
金のことなど完全に忘れた振りだった。こちらもどうせ払ってもらえない覚悟で、安い物を買わないと、えらい目にあうからご用心を!

ところでロケットは買えない理由を並べ立ててお断りしたのはもちろんだ。
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私が以前住んでいたアパート前の花屋のルイス。ここで40年ぐらい花屋をやっている
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以前住んでたアパートの管理人。2年間お世話になった。3年ぶりの再会
by ruriwada | 2011-03-02 21:59 | Comments(0)